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​日本眼光学学会ができること、今後の方針

日本眼光学学会は設立から50年以上がたった、会員数が約400人の小回りの利く、眼科医師、視能訓練士、生理光学の専門家、企業の光学技術者、心理物理研究者による学際的な学会です。眼科検査機器や眼の生理光学が主な研究内容となりますが、そのシーズからニーズまでをカバーすることが特徴です。

 

ニーズとしては、眼科医師や視能訓練士の臨床での経験や研究成果が貴重な情報となっています。シーズは、企業あるいは大学の理工系の研究者から幾何光学から干渉現象などの、主に古典的な光学を使った研究、また、企業からの検査機器に関する報告も貴重な情報です。生理光学の成果としては、眼の構造や光学的モデルの確立があげられます。

 

半世紀前の眼光学学会設立の目的は「いい眼科機器を作る」、「ものをみているとはどういうことなのかの基礎を調べる」だったそうですが (詳しくは50周年の記念誌を参照ください)、この目的は今でも踏襲されていると言っていいと思います。しかし、機器開発の面からは、学会設立当時の国内の目標は、スリットランプが外国製に追いつくことだったのが、今では、日本製のOCTが技術的にも販売的にも世界のトップレベルになっておりますので、学会と企業の立ち位置はだいぶ違うものになっています。ものをみるという機能的な疑問は、眼の光学的な構造だけでなく、神経生理学や心理物理学に関係する非常に難しいテーマですので、眼光学学会単独で研究を進めていくのは困難です。これらのことを考えると時代の要請に対応し、関連の学会との連携も積極的に行う学会運営が求められていると考えます。

 

2007年から2018年の12年間、不二門尚理事長のリーダーシップの基、発展を遂げてきた眼光学学会ですが、2019年からは理工系の理事長が不二門理事長の方針を引き継ぎながら、理工系のメリットを生かして眼光学学会を運営しております。

日本眼光学学会 理事長 
三橋 俊文
 

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